うつ病家族サポートセンター
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3.病院の受診について

 

(1) 病院の種類

 

精神科の医療機関には、個人営業のクリニック、総合病院の精神科、精神科専門病院の3種類があり、この順番で受診がしやすいと思います。

 

個人営業のクリニックは、「心療内科」という看板を掲げているケースが多く、繁華街のビルにテナントとして入っているため、受診時のハードルは低いと言えます。

総合病院の精神科は、同じ建物の中に他の受診科もあるため、「精神科」という看板には抵抗があっても建物自体には抵抗がないため受診時のハードルはそれほど高くないと言えます。

 

精神科専門病院は、精神科の専門医の他に臨床心理士や精神保健福祉士などが常勤しており、診療体制が完備していますが、建物全体が精神科部門であり、建物に入ることや病院を受診する自体にも一定のハードルがあることは否定できません。

 

個人営業のクリニックは受診時の心理的な抵抗が少ないというメリットがありますが、医師のレベルにばらつきが大きいため、初診での受診は避けるべきです。

総合病院の精神科は、郊外の交通の便が悪い郊外に所在している場合が多く、また建物も他を寄せ付けない感じ印象の施設が多いため、初診での受診は患者が嫌がるため、余計なトラブルを避けるためにも避けるべきです。

 

以上の理由から初診時には総合病院の精神科が適していると言えます。

 

 

(2) 受診の促し方

 

うつ病は早期に適切な治療を受ければ、回復できる可能性が高い病気です。しかし、患者は「精神科」や「心療内科」、「メンタルクリニック」と表示されている診療科を受診することには抵抗が強いようです。

 

患者は受診を嫌がります。しかし、受診して治療を受けなければ病状は良くなりません。ですから、家族が受診を促すようにします。1度で受診を決心してくれればよいのですが、なかなかそうはいかないので何度か説得を重ねて受診を促します。

 

何度説得されても受診しようとしない場合もあります。そのようなときは、対処方法をよく考えなくてはなりません。同じことを何度も言って、ただ受診しろという言葉を繰り返してばかりいると、感情的に対立してしまってその後の関係にしこりを残すことになってしまいます。

 

受診の説得が難しい場合の対処方法としては、次の3つのステップで受診を促していきます。

 

1つ目に、情報提供です。早期に適切な治療を受ければ1ヶ月から3ヶ月以内に回復する人がほとんどであることや、うつ病は恥ずかしい病気ではなく有名人でいうとあの人やあの人もうつ病だったことがあるけど今ではすっかり回復して活躍していることなどを伝えます。例に出す有名人は、患者の興味関心に合わせて、テレビでよく見る芸能人やスポーツ選手、小説家、歴史上の人物などを引き合いに出すようにします。

 

2つ目に、不安解消です。抗うつ薬の副作用や依存性、後遺症などに関する不安が一番多いと思います。少なくとも依存性や後遺症の可能性は心配する必要はないことを断言して伝えましょう。また、副作用に関しては多少あるけれども状況によって量の調整や薬の変更も可能なので心配する必要はないと伝えましょう。薬以外でも患者が不安に思うことは多いと思います。患者の不安がなくなるまで、話をよく聞いて感情を吐き出させるようにします。

 

3つ目に、アイメッセージです。アイメッセージとは「わたし」が主語になるメッセージのことです。「あなたが病院を受診してくれると、私はとても安心できる」などのような形で使います。アイメッセージの良いところは、相手を傷つけないことです。アイメッセージではなく、「あなた」を主語にしたユーメッセージで気持ちを表現すると、どうしても相手を非難したり攻撃したりしてしまいがちになるので、なるべくアイメッセージを使って、受診を促すようにしましょう。

 

 

(3) 病院で聞かれること

 

 医師によって違いはありますが、以下のようなことを聞かれると思いますので、メモに書き出すなどして準備しておいてください。

 

・主な症状(不眠、気分の落ち込み、体調不良、外出できない)

・症状が出始めた時期(何日前からどんな症状が出始めたか)

・睡眠はとれているか(寝始め、途中で起きてしまう、目覚め)

・食欲(3食たべているか、栄養のバランスは、間食しているか)

・何か変わったことはなかったか(気持ち、体、行動の変化)

・今、困っていること(落ち込み、体の不調、外出できない)

 

・もともとの性格(楽天的か、几帳面か)

・これまでに大きな病気はなかったか(入院歴)

・家族のこと(両親、兄弟、祖父母、仲は良いか、過保護、放任)

・学校のこと(普通学級か、成績、部活、いじめ、不登校、)

・生まれてから今までのこと(活発さ、習い事、趣味、問題行動)

 

 

(4) 家族の同行

 

初診時や、受診をはじめたばかりの頃は、家族が受診に同行するようにします。患者は家族が同席することを嫌がるかもしれませんが、なるべく同席するようにします。患者は睡眠や食事の状況などを正しく申告しないときがあります。家族が同席して正しい情報を主治医に伝えましょう。

 

 

(5) 抗うつ薬

 

医療機関でのうつ病の治療は、抗うつ薬の処方による薬物療法がメインとなります。ところが、この抗うつ薬などの精神科で処方される薬についての誤解が多く、情報が錯綜しています。

 

抗うつ薬には、確かに副作用はありますが、3ヶ月や半年といった短期間では、後遺症や依存性の心配は必要ありませんので、医師の処方通りに薬を服用しましょう。自分なりの勝手な判断で薬を飲まなかったり量を減らしたりすることはやめましょう。どうしても気になるようなら医師と相談して薬の種類や料を調整してもらうようにしましょう。

 

 

(6) 入院

 

うつ病の治療のなかで、「入院」はとても有効な方法です。

 

しかし、精神科に入院するとなるとほとんどの方が抵抗を示します。気持ちはわかるのですが、医師に入院を勧められた場合は、ぜひ前向きに検討してください。

 

うつ病が回復するためにいちばん大切なことは休養を取ることですが、入院せずにいるとどうしてもストレスがかかってしまいゆっくりと休むことが出来ません。実際に入院して治療した方は、多くの方が「入院してよかった」という声が聞かれます。

 

 

(7) セカンドオピニオン

 

今、受診している病院や主治医と意見が合わない、気に食わない、病状が良くならないなどといった理由で、セカンドオピニオンがほしいと言う方がいます。

 

抽象的な意味で、現在の主治医とは別の考え方を聞くというのは良いことのように思えますが、実際にセカンドオピニオンを求めようとすると、医療保険が効かないので10割負担になることや、主治医から紹介状をもらおうとすると嫌な顔をされる、紹介状をもらわずに新規で初診として受診すれば発病までの経緯をもう一度すべて話さなければならないなど、いろいろと大変なことが多くあります。

 

セカンドオピニオンを求めること自体は良いことなのです。

 

しかし、これはドクターショッピングと紙一重の面があって、建設的ではない場合もあるので、特に治療開始初期は、まずは最初の主治医とじっくりと治療関係を結び、落ち着いた環境で一定期間、治療を継続してみてください。

 

 

 次は→「4.参考資料」

 

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