うつ病家族サポートセンター 設立趣意書
21世紀になってからの日本は、閉塞感に覆われ、多くの人が慢性的にストレスにさらされている状況となっていますが、これまで「ストレスの雨」に対する「傘」の役割を果たしてきた職場や学校、地域社会などといった共同体が機能しなくなり、人と人との心の交流や仲間同士の絆といったものが失われつつあります。
このような状況の中、うつ病などの患者が100万人を超え、うつ病の予防とその適切な治療及び回復後の社会復帰支援等が社会全体の課題となっていることから、私たちうつ病家族サポートセンターでは、「うつ病患者の同居家族」を中心的な対象として、支援活動を行っていくこととしました。
特に、同居している家族がうつ病になってしまった場合に多く起こる、献身的に介護をするばかりに介護者が自らの体調の異変に気づかずに自らもうつ病を発症してしまうという、同居家族からの「もらいうつ病」の予防に注力して参ります。
うつ病患者の家族をサポートすることで、うつ病患者の社会復帰を促進し、「街が笑顔であふれかえる世の中」の実現に向けて努力していきます。
20世紀最高の経営者である松下幸之助さんが提唱した「水道哲学」は、無尽蔵な物資の生産に次ぐ生産による「貧乏の克服」がテーマでしたが、私たちうつ病家族サポートセンターは、この21世紀において、うつ病患者の社会復帰を支援することにより、より多くの笑顔を産み出し、「街が笑顔であふれかえる世の中」を実現する、「笑顔の水道哲学」を実践して参ります。
2010(平成22)年11月22日
うつ病家族サポートセンター
代 表 川田 陽子